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連載コラム『ティーブレイク』(28)

2026.01.20 技術研究、コラム

連載コラム『ティーブレイク』(28)

 

補佐役って何?

 

 令和8年(2026年)という新しい年が始まりましたが、今年は愛知県でアジア大会が開催されるとともに、NHK大河ドラマは「豊臣兄弟」です。豊臣秀吉は、大坂城に拠点を置いていましたので大阪の人と思われている方がいるかもしれませんが、生まれは愛知(名古屋市)です。昨年は、関西万博で大阪に注目が集まりましたが、今年は秀吉繋がりで愛知が注目されるのではないでしょうか。

 大河は、豊臣秀吉の弟である秀長が主人公です。秀長が秀吉の弟として生まれ、出世していく様がドラマ仕立てになると思います。秀長は、歴史的に秀吉の陰に隠れ、まったく無名でしたが、1980年代半ば頃にある作家が小説で秀長を秀吉の「補佐役」として取り上げてから注目されるようになったと思います。
 「秀長=補佐役」という定義が一般的な歴史解釈として定着していましたが、近年、古文書などから新たな歴史的な発見もあり、単なる補佐役ではなく、豊臣政権を支える大きな柱として再評価されてきています。徳川家康のように強力な家臣団を持たない秀吉にとっては補佐役が政権の要であったと思います。秀長亡き後、豊臣政権は短期間で崩壊していくことになります。

 小説の中で、補佐役は常にNo.2で、決してトップは狙わない役回りですが、実際に秀長は功名を狙うことも名声を求めることもなく、補佐役に徹し能力を発揮しました。だからこそ秀吉から信頼され、組織の中で重きを置く存在として活躍できたのだと思います。
 今回の大河では、補佐役を主人公としてどのように描いていくのか、また、定説を覆し新たな秀長像を創り出せるのかなど、楽しみ満載です。

 以前、仕事でいろいろな組織を訪問させていただく機会があり、経営者や幹部社員の方々とお話をさせていただくと、その組織の人間関係が垣間見えたりします。同族会社は、一族で協力し合う体制が構築できるとよいのですが、一歩間違うと兄弟間でも敵対勢力となります。組織は、トップ以下、取締役、部長、課長、専門家など、様々な立場や意見を持つ人で構成され、その中から後継者が選ばれると思いますが、私のような節穴の目では補佐役の方が誰なのかわかりません。このラインを超越した立ち位置でトップを支えているのではないかと思います。補佐役は、戦国時代以上に、先行き不透明な現代社会で最も望まれる人材かもしれないですね。

 皆さんの組織では、トップの周りにどのような方がいますか。補佐役はいますか。今年は、大河を見ながら、補佐役について考え、組織体制や要員配置の見直しを検討してみるのもよいかもしれませんね。

 第二の秀長を発掘し、飛躍の年にしてはいかがでしょうか。

 

 2026年1月7日  TTC参事  菊谷 彰