粘度測定(B型粘度計)
環境
製品開発・品質
OUTLINE
サービス概要
粘度計について
B型粘度計は、スピンドルと呼ばれる円筒・円盤を液体に浸し、モーターで回転させて流動抵抗から粘度を計測する回転粘度計の一種です。
豊富なノウハウを用い、お客様のご要望に合わせて、最適な分析方法をご提案いたします。
FEATURES
特徴
分析 Q&A
Q. どれくらいまで測れるの?
A. 15~6,000,000mPa・s まで測定できます
(回転数を変えて測定できるので、回転数で粘度が変わるものも測ることができます。)
(温度についても、ご指定がございましたら、ご相談ください。)
Q. どれくらいの試料量が必要なの?
A. 300mL から対応可能です(試料・分析内容によります)
Q. どれくらいの時間で結果が出るの?
A. 標準納期は2週間ですが、柔軟に対応します
B型粘度計の原理
ビーカー等の容器に測定試料である液体を入れ、スピンドルを液体に浸します。
モーターを回転させるとバネ、スピンドルも回転しますが、測定試料の流動抵抗を受けてバネにねじれが生じます。
このねじれをトルクセンサーで検出し、トルク値として得られます。
このトルク値とスピンドル・回転数の組み合わせで決まる定数から粘度を算出しています。
アメリカBrookfield社(現:AMETEK Brookfield社)が世界で初めて回転粘度計を開発・上市し、このタイプの粘度計をBrookfield型粘度計、略してB型粘度計と呼ばれるようになりました。
このタイプの粘度計はモーターの回転数を変更することができますので、非ニュートン性の特徴を有する測定試料の粘度測定に有効です。
解説
粘度とは?
一般に粘度とは、液体(流体)の流れにくさを表しています。
粘度の高い物質は流動させるために大きな力を加える必要があり、粘度の低い物質はわずかな力で流動させることが可能です。
ハチミツや水あめなど、「どろっとした」と表現されるものが粘度の高いもの、水やジュースなど「さらさらした」と表現されるものが粘度の低いもの。
粘度と動粘度
粘度は流体の「動きやすさ」表しています。
動粘度は流体の動きの「伝わりやすさ」を表しています。「伝わりやすさ」とは、混ぜた時の渦巻きの大きさとしてイメージできます。
はちみつと水を例にすると、
「どろっとした」はちみつの方が「さらさらした」水より粘度が高いと言えます。
一方、動粘度はと言うと、
動粘度の高い水は、混ぜていると渦がどんどん大きくなりますが、はちみつのように動粘度の低いものは混ぜても棒の周りしか動きません。
粘度(dynamic viscosity)
液体内にずり速度があるとき、そのずり速度の方向に垂直な面において、速度の方向に単位面積当たりにつき生じる応力の大きさによって示される液体の内部抵抗
動粘度(kinematic viscosity)
粘度をその液体の同一状態における密度で除した値。
単位
- 粘度の単位は、パスカル秒(Pa・s)ですが、通常はミリパスカル秒(mPa・s)を用います。
- 動粘度の単位は、平方メートル毎秒(m2/s)ですが、通常は、平方ミリメートル毎秒(mm2/s)を用います。
粘度の測定には、まずニュートン流体と非ニュートン流体の区別が必要です
JISZ8803で規定している表記として、
3.1 ニュートン液体(Newtonian liquid) ずり速度(せん断速度)がずり応力(せん断応力)に正比例する液体。
3.2 非ニュートン液体(non-Newtonian liquid) ずり速度(せん断速度)がずり応力(せん断応力)に正比例しない液体。 注記 同一温度及び圧力のもとで、ずり速度又はずり応力の大きさにかかわらず同じ粘度を示す試料は、ニュートン液体ですが、試料が非ニュートン液体の場合には、ずり速度又はずり応力の大きさに応じて異なった粘度を示します。
水などの、混ぜる速度を変えても粘度が変わらないものがニュートン流体
マヨネーズや水溶き片栗粉など、混ぜる速度を変えると粘度が変わるものが非ニュートン流体
非ニュートン流体には3種類あります
- ビンガム流体(塑性流体):流動的に変形はするがそれにはある程度以上の外力が必要であるもの。例えば粘土やクリームチーズなど、好きな形にできますが、ある程度の力を加えないと動かせないもの。
- 擬塑性流体:力を加えることにより粘度が下がる、一見ビンガム流体っぽいものマヨネーズなど、ちょっと傾けただけでは一見動かないように見えますが、大きく傾けると動き出します。粘土の形を変えようとした時に少しの力では全く変形しないのと違って、擬塑性流体は少しの力でも動かすことはできます。
- ダイラタント流体:速度勾配が大きくなるほど粘性係数が大きくなる流体のこと。水溶き片栗粉の上で素早く足踏みすると沈みませんが、止まると沈んでいくようなもの。
粘度計は「JIS Z 8803液体の粘度-測定方法」により毛細管粘度計、落球粘度計、回転粘度計(3種類)に分類されます
- 毛細管粘度計
測定原理は、一定量の液体が一定温度において、毛細管内を重力方向に自然落下するのに要する時間を計測して計算式により求めます。
水やサラダ油のような低粘度のニュートン流体の粘度計測に用いられます。
- 落球粘度計
落球法は, 流体中に球を落下させ、一定距離を通過するのに要する時間から粘度を求めます。
蜂蜜のような高粘度のニュートン流体の粘度計測まで測定可能です。ビンガム流体や、粘度変化のある非ニュートン流体の粘度測定には向きません。
- 回転粘度計
回転体が流体から受ける抵抗(粘性抵抗)を回転トルクなどから読み取ります。回転体の形により、共軸二重円筒型、単一円筒型回転式粘度計(B型)、コーンプレート型(E型)等があり、最も一般的に使われています。回転数を変えることにより、試料に与える流れを変えることができ、非ニュートン流体の測定にも使用できます。